骨転移について

 骨転移は痛みを伴うことが多く、疼痛対策として放射線治療を行います。以前は10回以上に分割して2週間くらいで照射することが多かったのですが、一回または数回で同様の効果が得られることがわかってきたので、そのように照射することも多くなりました。また、今まではほとんどおこなわれなかった再照射(一度照射した部位に再度照射すること)も行う場合も増えてきましたので、ご相談ください。

 新たな治療として、3回ほどで十分な線量を精密に照射する椎体定位放射線治療があります。これまでの骨転移に対する放射線治療が痛みなどを緩和することが目的で、少なめの線量で広く照射するのに対して、この治療では腫瘍を制御し消滅させます。鎮痛効果も高く持続的です。脊髄などの放射線に弱い臓器を避けて照射できるので、再照射などでも安全に治療できます。新しい治療ですので、臨床試験としてより厳密に追跡し、治療効果を判定することを行っています。