治療装置と品質管理


治療装置

 当院には体の外から放射線を照射する外部照射装置が3台、体内から照射をするRemote after roading system (RALS)装置が1台あり、2台は最新の放射線治療技術である回転型強度変調放射線療法 (VMAT)が可能な装置です。これらの装置は従来と比べて治療時間が短縮されており、従来では時間のかかっていた治療も短時間で精度よく治療が可能です。

 

品質管理

 放射線治療では高精度な治療をおこなう為に、機器の品質管理(装置が正しく動作していることの確認)がとても重要です。当院では国内や国外のガイドライン(TG142)を参考にマニュアル等を100以上作成し、機器の品質管理をおこなっております。

 

外部照射装置の詳細

 Varian社ライナック X線エネルギー:6, 15MV

 kV単位のX線(通常のレントゲンと同等)にて位置合わせ (Image guided radiotherapy: IGRT)や高精度放射線治療 (Intensity modulated radiotherapy: IMRT, Volumetric modulated arc therapy: VMAT) 可能な装置です。体表面を使用した位置合わせ(AlignRT)も可能であり、乳房の治療等で使用しております。左乳房の温存術後照射で使用する際は心臓の線量を可能な限り低下させる為、息止め照射 (Deep inspiratory breath-hold: DIBH)を施行しております。

 Varian社ライナック X線エネルギー:6, 15MV

 従来から行われている体の様々な方向から放射線を当てる3DCRT (Three-dimensional conventional radiotherapy)と呼ばれる方法を主に施行している装置です。

 また、当院は血液疾患の方へTBI (Total body irradiation), TAI (Total abdominal irradiation)も施行しています。

 ノバリスSTx(TrueBeam STx) X線エネルギー:6, 10MV

 IMRTやVMATを施行しております。また、短時間で照射が可能な機能を有しており、脳定位照射、肺定位照射、肝臓定位照射等も施行しています。頭頚部癌、前立腺癌以外にも適用があればVMATを施行しております。

 

 

治療計画CT装置

 当院では2016年12月に治療計画用CT(SIEMENS Definition AS)を更新しました。低被曝かつ大開口径のCTで、従来に比べ短時間の画像取得、また4次元での画像取得も可能です。このCT画像を用いて、肺等の呼吸で動く部位の放射線治療を4次元的に行うことにより、正常組織への被曝が少ない治療を実現しました。さらに義歯や人工関節等の金属によるCT特有の画像ノイズは今までスタッフが手で取り除く作業を行なっていましたが、今回更新されたCTに搭載されている先端的な金属アーチファクト低減機能を用いることにより、従来に比べて定量的で精度の高い治療を実現しました。

高線量率小線源治療装置 (RALS)

VariSource iX 2016年更新
婦人科腔内照射を施行しています。タンデム&オボイド、シリンダー、タンデム&シリンダー、ロッテ式アプリケーターが使用可能です。
頸部の同定が困難な症例は婦人科でラミセルを挿入してもらいます。
CT室でアプリケータを挿入し、計画CT撮影後、医師が臓器の輪郭を描き、同時並行で物理士が同時に計画を作成することで、治療時間短縮を図っています。
月に1回婦人科と合同カンファレンスを行っています。