早期非小細胞肺がんの治療選択:米国の高齢者:Clincal Lung Cancer. 2018

2004年から2012年に治療された米国の1期非小細胞肺がんの患者では、年齢とともに手術が急激に減少した。 60〜64歳の患者の外科手術率は81%であったのに対し、90歳以上の患者では21%であった。外科手術も放射線療法も受けていない割合は同年齢層で、7%から40%となり、放射線11%から39%であった。また最近になるほど放射線の使用が増加している。 高齢者ほど、放射線療法(図薄青)が手術(灰色)に取って代わっている。


解説:米国では疾患データベースが非常にしっかりしていて、かつ世界の研究者に公開されています。日本からでも簡単な手続きで使用することができます。もちろんデータの詳細に関しては完全なものではありませんがどのような治療をしてどのような結果になったかということがよくわかります。日本でも全国的がん登録がやっと始まりつつありますがまだまだ不完全です。残念ながら日本での同等のデータはえられませんが、また同様の方に対しての放射線治療の利用は米国の数割以下ではないでしょうか。

特に体幹部定位放射線治療(SBRT)は身体への負担が非常に少なく高齢者にも容易におこなわれます。正確な比較は不十分ですが、治療成績はほぼ手術と同等と思われています。もっと普及してもよい治療だと思っています。

PubMed:Practice Patterns and Outcomes in Elderly Stage I Non-Small-cell Lung Cancer: A 2004 to 2012 SEER Analysis.

また、宣伝のようになりますが友人の放射線腫瘍医が、電子出版書籍を出しています。参考にしてくれても良いと思います。

治療法選択手引き書-早期肺癌と告知されたら手に取ってみて下さい-ピンポイントの放射線治療、手術の効果を知っています?Kindle版

Posted on: 2018年3月26日, by : ETSUO KUNIEDA